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一時的に、思考停止。
その直後、
《うおおぉぉぉーーーーっ!?》
男達の雄叫びが響く。
「そりゃねえよ!ズリィだろ!」
「そうですよっ!」
「それなら俺達だって!」
「……は?……へ?……え、ええぇぇぇーーーーっ!?」
数秒後にはムサイ連中が、タコみたいな口で飛び掛かるように詰め寄って来て、あわや大惨事かと思いきや…
「行くで!」
「ふおっ!?」
山崎さんにヒョイと俵担ぎされ、
「局長!緊急事態ですのでお先に失礼致します!」
「う、うむ…では後程合流す…」
瞬く間も無く、周りの景色が勝手に走り出した。
「「「藤堂組長ーーー!!」」」
それでも追い掛けて来る数人の隊士達は、必死の形相の新八さんを先頭に八番隊の人達ばかりだ。
「どうかご無事でーーーっ!」
「頑張って来て下さぁーーい!」
「俺達も、真面目に隊務こなしてお帰りをお待ちしていますからーーーーっ!」
更に後ろで苦笑いする近藤さん達に事の発端野郎ども、腹を抱えて爆笑中の左之さんと沖田さんがいた。
どんどん小さくなって見えなくなる、新選組の皆。
そこで漸く我に返ったあたしは、
「ばっきゃろおぉぉぉぉーーーーっっ!!帰ったら見てやがれぇぇぇ、てめえら身体中の毛ぇひん剥いて塩風呂に入れてやるぅぅぅーーーーっ!!」
挨拶代わりの絶叫を置き土産に、騒動の中を荷物同然に扱われ、
確か前にもこんなのあったよねえっ!?
なんてデジャヴも体感しつつ、思いも寄らない大騒ぎの旅立ちとなった。
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