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ここは意を決して、
「いやぁー実は俺、大っきい方だったりするんだよねぇ。ちょっと腹痛くなっちゃって…テヘ?」
男である立場を大いに利用するしかなかった。
「「「ブフッ!?」」」
そしたら急に三人が飲みかけの酒を大噴射。
近藤さんと新八さんは顔を赤くしてあたしをガン見してるけど、正面に座ってる尾形さんはモロ顔面に浴びちゃったらしく、
「ぐわああっ!!眼がっ、眼がああっ!」
内部に染み渡る痛烈な痛みに、目下猛烈悶絶中だ。
山崎さんに至っては、
『こんのクソアマ!お前には羞恥心てモンはないんかいっ!』
的な眼差しを投げつつ袖で口元を拭っている。
…あーそうだね。ゴメンよ、男装の麗人には程遠い下品なヤツで。
心無い謝罪を胸の内で零しはすれど、今はそれどころじゃない人がいるのを、皆さんお忘れじゃないだろうか?
「ヒィーー!痛い痛い痛い痛いっ!!」
…後でいくらでも謝るから、誰か彼を助けてあげて下さい。
「尾形殿!」
予想外にも先に動き出したのは武田さんで、
「暫し待たれよ、今水を用意致す故。そのようにこすってはならぬ。さあ、この手拭いを当てておくのだ。」
素早く駆け寄り対処した後、
「誰かおらぬか!?」
矢の如く部屋を出て行った。
へぇー…気持ち悪い人だとばかり思ってたけど、武田さんて意外に機敏でしかも優しいんだ…
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