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自分のやらかした痴態によっぽどショックだったのか、
「…何より、俺が納得出来ひんねん…」
視線を微妙に外して、不自然な程何度もチラ見する。
あー…そうね、そうだった。
隊務とか与えられた仕事だけで無く家事や雑用も完璧主義で、今回に至っても面倒臭いと文句垂れながら事細かいとこまで、しっかりあたしの世話焼いちゃう責任感の強い人だもんね。
拒否り続ければその内、逆ギレし出しそう。
…ストレスハゲになれば面白いのに。
山崎さんのハゲ頭か…女顔だし尼僧みたいで、イケんぢゃね?
…とか、意地悪な妄想してる場合じゃなかった。
元はと言えば許容範囲を超えるまで飲んだのも、武田さんの毒牙からあたしを守る為だったらしいし…
恋愛経験値がほぼ皆無で下心がどうとか良くわかんないけど、このタイミングで『実際に手を出したのはアンタじゃん』なんて責めようもんなら、まだまだ続くであろう長い旅路の間シコリがコリまくりで、山崎さんと気まずくなっちゃうと思う。
それこそ面倒でヤダな…
ここはひとつ、あたしが寛大な大人だってとこ見せてやれば、全て丸く収まるんじゃない?
襲われたとは言えギリ未遂で済んだし、本人も大いに反省してるようだし……うん、今回はそうするのがベストじゃーん。
でもきっと、タダで許せば山崎さんは食い下がるだろうから、
「えっ…とね?…じゃあ、俺の着るもの何とかしてくれたら…許すよ。山崎さんのは、やっぱ少し大きくて動きづらいくて…それにこれにもちょっと、酸っぱ臭いのがこの辺付いてんの。ベタベタしてたから拭いたんだけど、臭いは流石に落ちなくて…」
ちゃんと罪滅ぼし的な仕事を与えれば、納得してくれ…
「…かぁぁ…ホンマかいな……そないトコまで跡付けて…」
…無かった。
あれぇーーー?…おかしいな…
余計に落ち込んだ様子の山崎さんは、
「…どんだけ若気の至りやねん…こないだかて任務で……溜まってへん筈やのに、むっちゃ欲求丸出しやんけ…どないしたっちゅうんや、俺の息子…」
膝の間に頭を埋めるように平伏して、また独り言を始めた。
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