花一匁(ハナイチモンメ)

18/29
前へ
/412ページ
次へ
…ちょっといい加減、このネガティブ&ブラッディな雰囲気何とかしてくんないかな… 撫で肩をズリ落ちてた襟口を掴んで戻しながら、お尻を付かずに膝を抱えて山崎さんの顔を覗き込む。 「…『あたし』が許すって言ってんのに、そこまでして責任とやらを取んなきゃ気が済まないの?」 俯いた顔が少し動いて目が合う。 「そら…悪い事したんは俺やさかい…」 「はぁ…まだ言うか…」 歳上の男が褌一丁のあられもない姿で、何時迄こうしているつもりか。 …付き合いきれん… 放置してやろうかとも思ったけど…しかしだね。 ガンとして姿勢を崩さない山崎さんを放置してさ、この場面を誰ぞに見られて不利になるのは…あたしなんじゃないかい? 変態プレイを強制して楽しんでると、変な誤解を招いてしまいそうだ。 …仕方ないなぁ… どう責任とやらを取る気なのかわかんないけど、あたしが譲歩する事でこの状況をさっさと終わらせられるなら、それがまだマシ。 「…うーん…気持ちだけ貰っとく、ってのは…ダメ?」 「そんなんあかんて言うてるやん…!」 「えー…だって面倒くさ」 「阿呆言いな…っ!…もし…自分に何ぞあったら、もう新撰組にはおれへんようになってまうんやで!?」 「だからー、それは幾ら何でも大袈裟」 「大袈裟なもんかい!…そないなったら、俺が…俺が守るしかないやないか…」 やっぱ大袈裟過ぎだよ… けど、どうしてそこまで話が飛躍するのか…反論する度反論されるばかりで、理解不能に陥りついに思考停止。 「…じゃあもういいよ…山崎さんの気の済むようにしたら?」 ハイ、丸投げにしてやりました。
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2279人が本棚に入れています
本棚に追加