花一匁(ハナイチモンメ)

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眉を寄せて見据えられると、こっちも腹が立って来る。 「しつこいなー、何が悪いっつーの?」 「うーわ、開き直りよった…お前ホンマ最低なやっちゃな。」 「はあ?何いきなり喧嘩売ってんのさ?」 「売ってへんわ、弁えろ言うてんねん。」 「意味わかんないんですけど。」 「せやな、稀に見る阿呆やし。」 「ゲロ吐いた奴に言われたくありません~」 「ぐっ…可愛いらしさの欠片もあらへんな。」 「煩いよ、ど変態のくせに。」 「「………」」 立ち止まり、二人して無言で睨み合っていると、 「…お前ら何やってんだ?」 五メートル程離れた新八さんが、呆れた顔で見ていた。 「何でもありません。」 「 何でもないよ。」 チッ、ダブった。 「真似すなボケ。」 「真似すんなハゲ。」 「「………」」 また、ダブったし。 「誰がハゲや!よう見てみいっめっちゃフサフサやー言うねん!お前の目ぇは飾りなんか!?」 「誰がボケだよ!?寝ボケてんのはそっちじゃん!都合の悪い事だけ忘れちゃってさ!あんたが昨日何してくれたのか、全部バラしてやろうか!?」 唾が顔面にかかる位の勢いで罵り合えば、 「…お前らよぉ、それ以上近付いたら接吻しちまうぞ?」 新八さんの余計な一言のせいで昨夜の事を思い出し、つい赤面してしまう。
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