花一匁(ハナイチモンメ)

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アレは…そう、犬や猫に戯れつかれたと思えば何て事ないじゃん?…ねえ? なんて無理矢理自分へ言い聞かせながらも、 「する訳ないでしょうが!何で山崎さんとなんかっ!ば、馬鹿な事言わないでよね!!」 ついムキになってしまって。 そしたら直様、 「ごふうっ!?」 脇腹に肘鉄を喰らった。 「痛いんですけど!?何してくれちゃってんの!?」 疼く腹を押さえて山崎さんを睨むと、しれっと他所を向いてこっちを見ようとしない。 「ゴラァ!無視すんなっ!!」 「あがっ!?」 当然ながら仕返しに、膝折ソバットをお見舞いする。 近距離からの不意打ちは見事に決まり、四つん這いになった山崎さん。 ざまあみろって鼻息荒くして見下ろしてたら、 「お~ど~れ~は~……何さらしてくれとんねん!監察の足は命と同んなじ位大事なん、知らんとは言わさへんで!!」 「いだだだだっ!?顔っ、顔が潰れるぅぅーーー!!」 目の前が急に暗くなり、容赦無い顔面アイアンクローが炸裂していた。 「ごめんなさいは?」 「い、言うかボケェ!」 「…ほーう、ええ根性しとるやん。」 「ふぬをォォォーーー!?」 反発すると、更に指が皮膚へ減り込む。 両手を使い引き剥がそうとしても、半端ない右手の握力に全く敵わない。 何なんだこいつはーーーっ!?いきなりキレやがって、情緒不安定ですかこの野郎ーーーーっっ!! 声にならない叫びを上げ、蹴りを入れようとバタバタ藻掻くも全てが空振りに終わる。 そんな中で、 「…お前ら、ホンット仲良いよなぁ。なーんで山崎なんかに懐いたんだか…」 のんびり眺めてる新八さんが、酷く恨めしく思えた。
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