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でもそれから急に力が弱まって…
「…はい?『俺なんか』がどうかしましたか?」
ピクッと。
突然山崎さんの眉間の皺がもっと深く刻まれ、アイアンクローは何故か無事解除。
代わりに不気味な笑顔が新八さんを捉えた。
「ああ?本当の事だろ。コロコロコロコロ人格変えやがって…おめえみてえな奴に面倒見られる平助が、心底気の毒だって言ってんだよ。」
「…また言いましたね?『おめえみてえな奴』?どうやら勘違いなさってるようなので、丁度良い機会ですしハッキリ言わせて貰いますが…」
「何だってんだよ、勿体ぶらねえで早く言え。」
「では永倉さん…あなたこそ、平助に嫌われているんじゃないですか?」
「はあ!?な、何を根拠に」
「江戸への旅を提案したのはあなたでしょう?平助が嫌がるのを承知で。」
「だからどうしたよ!?おめえだって賛同したから、こうやって同行してんだろ!?」
「いいえ、私は局長の意思に従ったまでです。同行を志願したのは、私以外に適任者はいないと踏んでの事。気の利かない男衆ばかりでは、平助が気の毒に思えたもので。」
「ぬ、ぬあにを~~っ!!」
「威勢が良いのは結構ですが、あらゆる状況に置いて即座に対応出来ぬようでは、何の役にも立ちませんよ?体力だけでは、細身の沖田さんにも勝てないようにね。」
「ーーーーっ!てめえっ!喧嘩売ってやがんのか!?」
「売ったのはそちらでしょう。」
ビシビシとガンを飛ばし合い、今にも大喧嘩が始まりそうなヤバい空気に、あたしはハラハラしながら見守るばかり。
だ、だって…迂闊に口を挟もうもんなら、トバッチリが来そうで怖いんだも…
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