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「…ちょっと、ちょっと…」
「あー…ありゃ、修羅場だな…」
行き過ぎる人達は、あたし達を興味津々に眺めて行く。
…いや、修羅場違うし。
てか、誰か強そうな奴…助けてくんないかなぁ…?
挙動不審かって位、キョロキョロ周りをみていると、
「…じゃあよ、平助に決めて貰おうじゃねえか。」
「いいですよ。まぁ万が一にも、私の負けはありませんけど。」
「ぬかせ、吠え面かかせてやる。」
「その根拠の無い自信は何処から来るんですか?おめでたい人ですね。」
怒りの形相をした新八さんと、能面みたく感情を抑えて嘘臭い笑みを浮かべた山崎さんが、
「おい!俺と山崎のどっちを選ぶんだ!?」
「自分の好きな方選びぃや。」
一斉にこっちへ振り向く。
「…ふえ?」
ジッと見つめられても…何か、質問の意図がズレてるような気がするのは気のせいか?
そもそも、口喧嘩の原因は何だったっけ?
途中からお互いの貶し合いだったみたいな…
「どっちだよ!?」
「早よしぃな、ガツンと言うたれや。」
「は、はひっ!」
ジリジリと二人に迫られ、訳がわからないまま生きた心地がしない。
どう答えたら、怒らせずに済むのか…
「うーんと…うーんとね…」
冷や汗というより油汗が滲んで来た。
頼むーーーーっ!こんな時こそ神様ヘルプだあぁぁーーーー!!
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