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そりゃあ昨日の夜…酔っ払った山崎さんに、ちょっとあーんな事やこーんな事されちゃったけど…
もや~んと浮かび上がったのは、熱を帯びた山崎さんの顔。
ぎゃわわ!?何でまた思い出してんの、あたしってば!!
変人退散~!変態退散~!
罵声を浴びせつつ、その先を知りたかった訳じゃないのに、心に反して頬が熱い。
「…どうして顔を赤らめてるの?…気持ち悪い子だね。」
ガーーン…良く知りもしない人から、気持ち悪い言われた…
「こ、これはっ、違っ!ちょっと思い出しちゃっただけで!」
両手も頭もブンブン振って訴え続け、
…いかん、目眩が…
足元がおぼつかず、尻餅をついた。
「大丈夫?…ククッ、やっぱり変な女。」
そんなあたしを見てまたまた嗤う男は、中腰になって手を差し出す。
「あ、ども…」
…って……あれ?この人今…
その手をおっかなびっくり掴もうとして、
「…ねぇ、思い出したのは僕との事?それとも…狗共にチヤホヤされて、毎夜可愛いがられてる事かな?」
触れる手前でピタッと止まった。
〝変な女〟
〝狗共〟
何食わぬ顔で、紡がれた言葉は…
あたしの中に灯る黄色いシグナルを瞬時に真っ赤に変えて、警報を鳴らす引き金となったから。
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