花一匁・其の二

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そりゃあ昨日の夜…酔っ払った山崎さんに、ちょっとあーんな事やこーんな事されちゃったけど… もや~んと浮かび上がったのは、熱を帯びた山崎さんの顔。 ぎゃわわ!?何でまた思い出してんの、あたしってば!! 変人退散~!変態退散~! 罵声を浴びせつつ、その先を知りたかった訳じゃないのに、心に反して頬が熱い。 「…どうして顔を赤らめてるの?…気持ち悪い子だね。」 ガーーン…良く知りもしない人から、気持ち悪い言われた… 「こ、これはっ、違っ!ちょっと思い出しちゃっただけで!」 両手も頭もブンブン振って訴え続け、 …いかん、目眩が… 足元がおぼつかず、尻餅をついた。 「大丈夫?…ククッ、やっぱり変な女。」 そんなあたしを見てまたまた嗤う男は、中腰になって手を差し出す。 「あ、ども…」 …って……あれ?この人今… その手をおっかなびっくり掴もうとして、 「…ねぇ、思い出したのは僕との事?それとも…狗共にチヤホヤされて、毎夜可愛いがられてる事かな?」 触れる手前でピタッと止まった。 〝変な女〟 〝狗共〟 何食わぬ顔で、紡がれた言葉は… あたしの中に灯る黄色いシグナルを瞬時に真っ赤に変えて、警報を鳴らす引き金となったから。
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