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あまりにも間近で褌を見ると、海パン一枚の男が可愛らしいモンだと思う。
目のやり場に困っていると、
「こーら、ちゃんと見ろって。」
上だけ着た新八さんが、あたしの前に仁王立ちしていて、汚い褌が目と鼻の先にあった。
「ぎゃあぁぁっ!?何でだあぁぁぁぁーーーっ!!」
動揺したあたしは『ソコ』に思いっきり、ナックルパンチを打ち噛ます。
「でぐはあぁっ!?」
拳に嫌な感触がして、新八さんは前のめりで倒れ込んでしまった。
「グニャッて!何かグニャッてしたあぁぁーーっ!!」
「お前ら…何やってんだ…。」
あたしは拳を振り回し、新八さんが体を痙攣させている姿を見ても、左之さんは至って冷静だ。
「見せるのは褌じゃなくて、袴の履き方だろーが。」
「袴…袴ね…。え?でも、あ、あれ?何であたしが袴履くの?」
女である事に気付いてるのを、何故いつまでも触れてこないのか反対におかしいと思った。
「『あたし』じゃなくて『俺』だ。ここで生き延びたかったら…な。」
「はい?…いやいやいやいや、変だよそれ!?何でそうなるのっ!あたし『平助』って人じゃないよ!?解ってるのに何でっ」
「解ってっから、そうしろって言ってんだよ。」
突然の俺様発言に、開いた口が塞がらなくなった。
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