花一匁・其の二

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「泣いてないやい、これは心の汗っつーヤツだいっ!」 あたしに関わって来るヤツってどうしてこう…デリカシーのない男ばっかなんだろ?…グスン。 男運のない星の元に生まれた悲運を呪う。 『まぁ元々、そういう意味で煽ったんじゃないんだけどね…』 自己嫌悪も加速し、盛大な溜息をつく男の声がどんどん遠くなる。 どれだけ鍛えたところで中身はしっかり乙女のまま… ナインペタンの失礼極まる発言に過剰反応してしまったぜ、やべえ…ヤバ過ぎる… 「…取り敢えず休戦しない?先に僕から離せば、問題無いよね?」 「ーーー!!」 突然の和睦的提案に懲りない私は、 これは絶好のチャーーーンス!? 機械人形みたくコクコク頷き、逃げる気満々でその時を待つ。 「じゃあ………………」 「………」 ……んん?長いな… 「…まだなの?」 「うん、そのつもりだったけど…そんな眼で見つめられると、期待を裏切りたくなるのが人情ってモンでしょ?」 「…どんだけ捻くれてんだ、あんたは…」 「じゃあ、こうしようか?」 言うなり一度離れかけた手が片方だけ腕をクロスさせて、再びガッチリ絡み合う。 …ちょい待てーーい!それは……所謂、恋人繋ぎやないかーーーーい!!マジで何がしたいんだこいつは!? 「えーい!ベタベタすんなっ、鬱陶しい!!」 「えー…こうすると大抵の女は頬染めて喜ぶものだけど、お気に召さない?」 「召さんわ!このナルシー野郎がっ!」
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