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「泣いてないやい、これは心の汗っつーヤツだいっ!」
あたしに関わって来るヤツってどうしてこう…デリカシーのない男ばっかなんだろ?…グスン。
男運のない星の元に生まれた悲運を呪う。
『まぁ元々、そういう意味で煽ったんじゃないんだけどね…』
自己嫌悪も加速し、盛大な溜息をつく男の声がどんどん遠くなる。
どれだけ鍛えたところで中身はしっかり乙女のまま…
ナインペタンの失礼極まる発言に過剰反応してしまったぜ、やべえ…ヤバ過ぎる…
「…取り敢えず休戦しない?先に僕から離せば、問題無いよね?」
「ーーー!!」
突然の和睦的提案に懲りない私は、
これは絶好のチャーーーンス!?
機械人形みたくコクコク頷き、逃げる気満々でその時を待つ。
「じゃあ………………」
「………」
……んん?長いな…
「…まだなの?」
「うん、そのつもりだったけど…そんな眼で見つめられると、期待を裏切りたくなるのが人情ってモンでしょ?」
「…どんだけ捻くれてんだ、あんたは…」
「じゃあ、こうしようか?」
言うなり一度離れかけた手が片方だけ腕をクロスさせて、再びガッチリ絡み合う。
…ちょい待てーーい!それは……所謂、恋人繋ぎやないかーーーーい!!マジで何がしたいんだこいつは!?
「えーい!ベタベタすんなっ、鬱陶しい!!」
「えー…こうすると大抵の女は頬染めて喜ぶものだけど、お気に召さない?」
「召さんわ!このナルシー野郎がっ!」
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