花一匁・其の二

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ま、またあ!? 「ンンーーーー!」 動かせない口からくぐもった声を上げると、離れた唇が弧を描く。 「…気になる相手を知りたいと思うのは、自然の摂理じゃない?」 「そ、それってどういう…」 「皆まで言わせるのは野暮ってモンだよ。」 「…っ、」 真剣な眼差しを直視出来ずに目を逸らした。 恋愛経験は皆無でも、そこまで言われて気付かないほど鈍感でも無い。 …あたしが好き、って事? 「どうして…そうなんの?」 数々の極悪非道な振る舞いからは遥かに飛躍した展開に、頭の中はオーバーヒート寸前だ。 「クス…さっきからそればかりだね。…まあいいけど。」 逸らした筈の視界に男の顔が映り込んだのは、顎を持ち上げられ正面を向かされたから。 「運命を感じたんだ。」 ……運命? 臭い台詞に歯がムズムズする。 「本当は僕も死んでいたかも知れないのに、助かるきっかけを作ったのは場違いな格好をした女だった。ちょっと調べてみたら、新選組の組長になってるし…これってもう、偶然じゃなくて必然だったとしか思えないでしょ?僕等は出逢うべくして巡り逢ったんだって。」
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