花一匁・其の二

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そんな人に愛の告白をされても…感動するより複雑な感情しか芽生えて来ない。 ドラマとか漫画とか…ああいう世間で言うところの『胸キュン』を体験するのは、現実的には難易度が高いらしい。 そりゃねえ…一応女だしねぇ…ちょっと位は、憧れもするさ。 「…それは、ただの激しい思い込みだと思いマス…」 「違うね、僕達は巡り逢うべくして出逢ったんだ。」 「いや…それを言ったらあたし、結構な頻度で運命的な出逢いばっかしてるから。どんだけ運命転がってんだって話しでしょ。」 こっちに来て初っ端から殺し合いに巻き込まれたし。 心臓が止まりそうな程の強烈なインパクトで言えば、新八さんや左之さんとの出逢いが一番最初になるけど… 『俺達の出逢いは、運命だったんだ』 何てキザっちぃ台詞、生まれてこのかた一度も言われた事ないわ。 呆れて言い捨てると、 「ハッ…あんな連中と一緒にしないでくれない?女を快楽の道具としてしか利用しない、年中盛りのついた狗共となんか。君だって…奴等に弄ばれているんだろう?その証拠に…」 「ヒャッ!?」 突然、胸元に指先が触れた。 「こんな印まで付けられて。」
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