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「わからねぇようだから、簡単に説明してやる。」
袴までしっかり履いて前に座る左之さんと、大打撃を喰らったソコを押さえ、横に寝転がったままシクシク泣く新八さん。
どんな理由があるのかと、緊張して生唾を飲んで見つめた。
「まずはお前の名からだな。なんてぇんだ?」
「吉野雅(ヨシノミヤビ)。」
「雅か、年は?」
「今二十歳だけど、今年二十一歳の予定。」
「…平助と同じ歳か。」
「何処から降って湧いて出て来た?」
ヒドイ言われ様だよ…。
しかもどうやって来たかなんて、あたしが聞きたかった。
「…わかんない。事故に遭ってぶっ飛んじゃったんだけど、落ちたらあそこだったし。」
「事故ってなんだ?」
まだ泣いてる新八さんが、恨めしげに見上げてあたしに尋ねる。
「交通事故…ってわかんないよねぇ。うーん、車と単車って説明長くなるから、そこは置いといて…とにかく、死にそうになったの。そしたら意識がフワフワ~ってなって…。」
「ふわふわ?曖昧な言い回しだな。」
自分が理解出来てないのに、上手く話せる訳はない。
「あっ、でもそのフワフワ~の時に、男の人と擦れ違った気がする!」
肝心な事を思い出して大きな声を出すと、二人は…
「ソレ、平助かも知んねぇぞ?」
「だな…あり得無くもねぇ。」
勝手に納得して頷いていた。
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