花一匁・其の二

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もう煮るなり焼くなり、好きにすればいいのさ。 どうせ、いつ死ぬかわかんない時代なんだもん。 何て究極の投げやり、自暴自棄へと陥っていれば。 「君こそ、これから先…どうしたいの?」 逆に大真面目で聞かれ、返答に困った。 あたしは学の無いお馬鹿さんの類いだけれど… この男が、どんな意味を含めて尋ねたのかは解る。 得体の知れない偽物の女が、新選組という組織に居続ける理由や目的は何なのか…って言いたいんだろう。 正直、それはこっちが知りたいよ。 そもそも、平助とあたしが入れ替わったという仮説は、性別は違えど顔が瓜二つだからって、新八さん達が決め付けたものだ。 助けて貰った恩義に報いる為、言い成りに『平助』という役柄を演じてはいても、結局保護下に置かれ頼り切りの生活を続けてる訳だし。 〝元居た時代に戻れるまで生き延びる〟 ただ、そんな淡い期待しか抱けない不安だらけの虚しい人生に、何の価値があるのか。 「このままじゃ、利用されて終わりだよ?」 「…っ!」 目を背けていた現実に再度向き合わされ、一気に奈落の底へ落とされた。
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