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ええ、ええ、どうせ女らしさの欠片もない乱暴者のあたしには、不似合いでしょうよーーだ!!
歯軋りも加え噛みつきそうな程に威嚇するけど、
「じゃあね、雅。次に逢う時には…君の柔肌に僕の印を沢山刻んであげるから、楽しみに待ってなよ?」
軽くあしらわれてしまい、ついでに馬を嘶かせガバッと前脚を浮かせて逆にあたしを脅しやがった。
「うわっ!?」
ビックリして尻餅ついた途端に、颯爽と馬は走り出す。
「待てぇっ!ごらあぁぁぁーーーっ!ゴホッゲホッ!!」
砂埃の舞う中を、一度だって振り向きもせずに。
「くそっ…!」
トコトン舐められっ放しで、自由気ままに引っ掻き回すだけ引っ掻き回して、台風の如く消え去った悪魔のような男。
燻っていた怒りの炎が今頃沸々と滾り出した。
…あんな奴、落馬してハゲちまえばいいのに。ついでにズル剥けんなっててっぺんハゲの落武者になっちまえ!
何度も酷い目にあわされた分、姿が見えなくなった後もまだちょいビビり気味で、呪いの呪文は小さく唱えながらハンドパワーを発動し奴へと飛ばす。
「ハゲろ~ハゲろ~」
それを繰り返す事四度目。
「ーー平助えぇっ!無事かあ!?会いたかったぞぅっ!!」
「誰がハゲやっちゅーねんっ!」
「ハゲッぶへえっ!?」
やっとこあたしの元へ到着した新八さんと山崎さんに、中身が出そうな羽交い締めとタンコブが出来そうな脳天チョップを同時にお見舞いされた。
「…ぐえぇ、助け…」
死ぬうぅぅーーーっ!おパイが潰れてマジで死ぬうぅぅぅぅーーーーっ!!
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