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「お?そんなに嬉しいのか?よしよし、愛い奴め。」
抵抗の意思…しっちゃかめっちゃかに手足をばたつかせて暴れ狂う様を、喜んでると解釈出来る新八さんはどこまでもお気楽な馬鹿野郎だ。
んで、あんまり締め付けて来るもんだから…
「ーーこ、のっ!」
「いあヴ!?」
膝でかまして差し上げましたよ、禁断の必殺技…◯的蹴りを。
「ひぐあおぁぁーーーーっ!!」
途端にパッと離され、新八さんは両手で股◯を押さえながら転がり回った。
「…お前それ、一番エグいヤツやで…」
ついでに山崎さんも◯間を押さえて、青ざめている。
「ふんっ、これぞまさに窮鼠猫を噛む、だよ。」
「いや、蹴っとるし。それやったらホンマに噛まれた方がマシやん。」
相変わらずなナイスツッコミだ。
「しかも相手間違っとるやろ。何でさっきの野郎にかましたらんかったんや。」
「冗っ談じゃない!あんな地獄の使者みたいな危ない奴に金◯しようもんなら、死出の旅にアデューしなくちゃなんないでしょうがっ!」
「…あでゅう?何やそれ?」
「さよならって意味だよ!」
あーっ!想像しただけでゾッとする!
五体満足で無事に済んだのは、たまたまあいつの気まぐれで気に入られたせいってだけだし。
あんな訳わかんない鬼畜に好かれる位なら、あたしは一生独り身でいいのさ。
顔面に食らった強烈なアイアンクローやデコピンを思い出して、
まさか変形しちゃいないだろうな…
と両手でおデコ周りをペタペタ触り確認していると、
「…あ、あいつ…どっかで見た事あんだよな…どこだっけなぁ~?イテテ…!」
まだあそこを押さえたままの新八さんが、腰を引いた内股でヨロヨロと立ち上がった。
…そりゃそうじゃん。何ヶ月か前に、あんたら殺し合ってたし。
まぁあたしが原因で逃げられちゃったのがバレたらヤダから、教えられないけどね。
そんなあたしの思惑なんか知りもしない山崎さんは、
「何寝惚けた事言うてんねん。彼奴、池田屋ん時に皆で仲良う取り逃がした奴とちゃうんかい。…なぁ、藤堂はん?」
皮肉混じりの歪んだ笑顔を見せ、アッサリとバラしやがった。
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