奇跡は突然やって来る。

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「ちょっと!解るように説明するんじゃなかったの!?」 声を荒げると新八さんはやっぱりソコをガードしたまま、胡座を組んで座り直した。 「今からしてやるよ。そうだな、まず平助だが…アイツもあの時、額を割られて意識が混濁してたんだ。」 「あの時って、池田屋?」 「そうだ。そして俺達がちょっと目を離した隙に、入れ替わったんだろう。平助と同じ顔、同じ髪をしたお前にだ。」 髪と言われて疑問に思った事を聞いてみる。 「ねぇ、左之さんと新八さんはあたしの髪の色見ても、全然驚かなかったのはなんで?」 この時代の人の髪は地毛で黒いのが当たり前だろうし、他の人はビックリしてたのに。 「ああ、そりゃアレだ。平助も元は茶色い髪してたからだ。尤もアイツは目立つの嫌がって染めてたんだがな。」 「それ知ってんのは、付き合いの長いヤツだけなんだ。」 意外な真実発覚に不気味さを感じた。 「これは仮説だがもしかすっと、平助とお前はお互い死ぬ目に遭って、似たモン同士引っ張られた…雅は平助の生まれ変わり、或いは子孫って事も考えられるな。」 確かに色んな共通点や可能性からすると、そう思えない事はないけど…。 、
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