雨上がりの午後に

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これは早く追っ払いたいって気持ちと、本心から出た言葉。 どうも俺は…長い事好き勝手生きて来たせいもあってか、肝心なところで上手く立ち回れないらしい。 そろそろ、我慢にも限界が来そうだ。 つーか誰でもいいからヘルプ来いやゴラ。 「お嬢様だってぇ~」 「トウマ君~ベッドまでお姫様抱っこしてぇ~」 心無い台詞に女達が腰をくねらせている内に、店内をチラッと見渡す。 雨降りの平日は客の入りも悪く、効率を考えた奴ら数人はとっくに上がっちまったらしいが…今現在のスタッフは七人。 カウンターに二人とフロアに五人いて、暇そうにボックス席に付いてるヘルプ役の奴なら呼んでも構わないだろうと声を掛けようとした。 するとその時、 「ねえってばぁ~!」 「聞いてるのぅ~!?」 いきなり両腕を掴んで引っ張られ、カウンター越しにも関わらず女達がしがみ付き… 「きゃあ~捕まえたぁ~!」 「トウマ君の味見させてぇ~!」 ドギツいグロスの塗りたくられた唇が二つ、急激に俺の顔へ近付いた。 力任せに身を引いてカウンター内へ突き落とすとか、二人の顔面に頭突きを喰らわすとか…昔の俺だったら女でも容赦しなかったのに。
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