雨上がりの午後に

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そうだ。いつも後悔している。 惚れた女を事故に巻き込み、過去へタイムスリップさせちまったきっかけを作っちまった事を。 傍に居て守ってやりたいのに、あがらえない壁が俺の邪魔をして…助けの手すら届かねえ。 もどかしくて、非力さすら恨んで。 あいつが危ない目にあってるかも知んねえ時に、ただ安穏と日々を過ごすだけの自分自身にも腹が立つ。 「俺は雅さえ、雅さえいてくれたら他には何もっ…!」 「…いらない?」 不意に陰りを見せた表情が、一瞬息を止める。 「そんなの、言われなくてもわかってるよ…バーカ。」 「…平助?」 「後悔してるんでしょ?俺なんかに関わって…」 「い、いや、それは…」 興奮して言い過ぎたと気付いても後の祭り。 「…事故のせいだけじゃないじゃん。元はと言えば俺が『あっち側』から雅に逢いたいって願ったのがいけなかったんだ。ゴメンね?代わりに俺なんかが蓮司の傍に居て。こんな事になるならいっそそのまま一人で大人しく…くたばっちゃえば良かったのにね…」 「ーっ!」 ホロリと落ちた、一粒の雫。 泣かせたのは間違いなく、独りよがりで無神経な俺の言葉のせいだ。
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