雨上がりの午後に

24/25
前へ
/412ページ
次へ
ふおおおーーーーーーっっっ!!? 大抵のことにゃビビらないこの俺が、まさかの発狂寸前に。 俺にそっちの趣味はねえーーーっ!! 奇声を堪え、 ーーややや、やっちまったのか!?やっちまったのかよ俺!!思い出せっ捻り出すんだっ!数時間前の記憶をォォォーーーーっっ!! 思考の渦巻きに溺れそうな自分と戦う。 …風呂とか飯までは…ちゃんと覚えてるんだ。 その後は……その、後は………………………くわああっ!寝酒に勧めたビールが、いつの間にか飲み比べになっちまって…!! そうだった。 眠れねえとか言い出した平助に、俺も付き合いで飲み始めて…ホロ酔いの頃に出た話題が、幕末の世で平助とマブダチの永倉新八と原田左之助だった。 貧乏な頃は水で薄めた酒ばかり飲んでいたとか、二人は大の酒好き女好きで金が有ろうと無かろうと、思い立てば女郎屋に通っていたとか… 付き合わされる内に自分も酒が強くなっただの自慢されて、そんならトコトン飲み明かそうなんて盛り上がって…そんで… 『…俺、アッチの方も鍛えられちゃってさぁ~…何ならちょっとだけ…試してみる…?』 上目遣いにそんなふざけた台詞を言いやがって…俺も強か飲み過ぎてたせいか一瞬雅と平助、二人の顔がダブっちまってドギマギしちまったけども、 『冗談は顔だけにしとけよー…双子だけにな…何つって。』 ガラにもねえ駄洒落ぶちかまして、そこはどうにかスルーした記憶がある。 問題はその後……その後は… フラフラになりながらも、布団を二つ敷いた筈なんだが…
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2279人が本棚に入れています
本棚に追加