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そんな回想をしていると、
〔ぬるっぬるン…!〕
「ヒィィッ!?」
更にシンボルを擦り付けらた。
我慢出来ずに飛び出たみっともない悲鳴。
「……ンフフ…ヒィ~、だって。硬派気取ってるクセに、ヒィ~って。あははは…!」
「て、てめー!起きてんじゃねえかよっ!!」
いつから目覚めていたのか、平助は眠そうな眼をしながらニヤニヤ笑ってやがった。
結構本気でムカついて、
「ざけんじゃねえぞっ!何だこの有様は!!」
身体を引き剥がして布団から抜け出ると、
「ん?ちょっと味見しただけだよ?」
舌をペロッとチラつかせ、悪気無く満面の笑みを見せる。
「味見、だと…まさかてめぇ…」
全身の気怠さは気の所為だと思いたかった。
平助とは時代を越えたマブダチで…こいつは誠実な奴だと。
「爆睡してたから合意ではないけどねぇ~…でもちゃんと反応してたか」
「うわあああっ!もう何も言うな聴かせるなっ!!聴きたくもねえツラも見たくねえ出て行けバカヤロウが!!」
「えー…んなに恥ずかしがらなくても…」
「誰がだっ!!」
「だって本番まではシテないよ?試しに軽く口とか手でコ」
「ーーーーとっとと帰れぇぇ!!」
だがそれを見事に裏切られ、意識が失かったにしろ罪悪感でマジ泣きしそうだ。
…嗚呼…畜生…
雅に、合わせる顔がねぇ…
窓の外は雨上がり。
アスファルトから立ち昇る湿気のニオイは…昔から、好きになれない。
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