嫌よ嫌よも…

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「俺は組の皆に問うてみたいっ!ひとーつ!あなた方は綺麗なお兄さんやお姉さんは好きですかあ!?俺はどっちかと言えば好きな方だけど、ローリング鼻毛がチョロ松してる美意識が中途半端な伊東君は生理的に受け付けませーーんっ!!」 「…初めはお前も迫られてたのになぁ…皆の前で鼻毛連発言してから、逆に伊東のがお前の事嫌ってるっポイよなぁ。いや、目の敵にしてる感じか?」 「ふたーつ!ビーチク突かれてスキンシップだとか笑ってる局長も、かなりぶっ飛んでんじゃないスかねーーっ!!」 「…流石にビーチクの意味は未来人じゃなくてもわかるぞー。見掛けの可愛さ見事に裏切って、ホント下品に育っちまったもんだなぁ…」 「みーっつ!伊東君よ!アンタあんだけフラれまくってんのに土方さんとタメ張ってるとか勘違いしてんの、地球上の誰よりもイタ過ぎ太郎ですからーーっ!残念!!」 「…残念なのは自分だって気付いてねぇのが不憫過ぎて、涙が出てくんぜ。庇われる土方さんが気の毒でならねぇや…」 「ちょっと佐之さん!さっきから何!?誰の味方なの!?」 噛み合わない二人の会話。 あたしは懐かしの一発芸人がやってた最後のキメポーズで止めたまま、指で目頭を拭う佐之さんを睨み付ける。 「何で俺の悪口ばっか言う訳!?佐之さん、伊東に迫られてた時は鳥肌全開で逃げ回ってたクセに!」 「うむ、それはそれコレはコレだな。男らしく…はいいけどよ、そこまで品性無くガサツにしろたぁ言ってねぇだろ?」 そう言って佐之さんは、膨らんだあたしの頬をブスッと突いた。 「…佐之さんさ、大量のバッチィ褌が目の前にぶら下がってんの、見えてない?しかもアンタら幹部の褌だけやたら派手な色ばっかでまー目立つこと目立つこと。そよ風にはためくその褌達を眺めながら、派手フンの持ち主本人が品性とか語んのって逆に恥ずかしいとか感じないの?」
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