奇跡は突然やって来る。

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「それじゃ、引き受けてくれんのか!?」 「すまねぇ雅!末代まで恩にきるぜ!!」 同時に勢いよく頭は跳ね上がって、あたしの手は左右で握られ腕の付け根からもげそうなくらい、ブンブンと振り回された。 「やめれっ!あたしはか弱い女の子なの!!」 その手を無理矢理引き抜いて、フと気付いた。 「嫌あぁぁーっ!?新八さん汚い手で触ったあぁぁぁーーっ!?」 バッチィィーーン!! 「だはあっっ!?」 左頬に見事なジャストミートで、新八さんは二転三転しお尻を突き出した俯せ状態で、停止したまま動かなくなった。 「…すげえ馬鹿力…どこがか弱い女なんだ…。つーか、俺の袖で拭くなよ…」 「…だって、他に拭くとこないもん。」 「俺は雑巾か。」 気絶した新八さんは放置して、とりあえず着物のきかたを教わり、衝立って仕切りの後ろで着替えてみた。 「ちょいとデカイが、まぁおかしくはねぇ程度だから大丈夫だろ。」 袖を握ってクルクル回って、初めての着物を上からジッと眺める。 「…パサパサしててスースーする。動きづらいし…。」 さすがに褌はお断りして下着はそのままだけど…。 この先…替えの下着はどーすんだ?誰に相談すればいいのーー!? 乙女の繊細なる悩みは尽きなかった。 、
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