嫌よ嫌よも…

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深刻に睨み合う二人。 「ちょ…やめなってば。何も喧嘩しなくったって…!」 こんな時は嫌ってほど実感する。 そう、此処は荒くれ者達が集う場所。 いつも優しい佐之さんやお調子者ぶいてる山崎さん、ドスケベな新八さんもツンデレイケメンの土方さんもジェントルマンな井上さん達も…皆が皆武器を握れば人が変わった様に暴れ出す、現実離れした世界の怖い人達なんだって思い知らされるんだ。 発作的に仲間内で殺し合いが始まるんじゃないかって、ヒヤヒヤする場面に出くわすことも時々あるし… 「伊東から取り返せば済む話しなんだからさ、ね?もうヤメて?」 自分より遥かにガタイのデカい男と、得体の知れない陰湿男の間に割って入るのはかなりの勇気がいるけれど、 「お願いっ…」 頑張って、胸倉を掴んでるぶっとい腕にしがみ付いて…正確には半分ぶら下がって訴えた。 「う…」 すると佐之さんは急に顔を赤らめ、 「わ、わーった!わーったからっ……ち、ち、ち、ちち…っ、ちちちちちっが…!」 ソッコーで襟元から手を離し、吃りながらアタフタ妙な動きをし始める。 「??」 「…阿保が…今更何を純情ぶっとんねん。」 「るっせえ!おりゃあテメエと違って、誰彼でもいい訳じゃねぇんだよ!!マジな分余計、こうっビビッと来」 「身体の方は正直ってか。真昼間から元気なこっちゃな。」 「ソッチの話しぢゃねぇわっボケッ!!」 「???」
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