嫌よ嫌よも…

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そして、不安要素はまだ他にも沢山ある。 その中で一番気掛かりなのは… ここのところ、山南さんがあんまり表に顔を出さなくなったってことだ。 ただの職務怠慢とか、楽な生活がしたいだけの穀潰しニート状態だったら変に心配なんてしないんだけど… どう見ても今の山南さんは覇気がないというか精神が不安定というか…日に日に弱っていってるのが見た目にもわかるんだもん。 そうなった理由も近藤さんがやたら伊東にベタついてるとか、今迄山南さんがいたポジションが伊東に奪われたせいだろうとか憶測は出来ても、近付くきっかけを作ろうとする度山南さんから拒否って来るから、あたしだけじゃなく皆もどう接していいのかわかんなくなってきてる。 変にズカズカ踏み込めば、プライドを傷付けちゃうだろうし…難しいなぁ… 「はあぁ…」 思わず溢れた溜息に、 「てめっ…人の話聞いてんのかコラ。」 「うっ、わ…!?」 背後にあった筈の顔が触れそうな位に近い真横に来てて、不機嫌な低音ボイスが耳へ直に届いた。 「ちょ、だからぁー近いんだってば!いい加減離れてよっ!」 「断る。平助の分際で俺に命令すんな。」 くっ、そう…めっちゃムカつくのに、背中がぞわぞわすんのは何でだ…!?
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