嫌よ嫌よも…

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熱くなる頬に気付かれたくなくて、顔を背けた方向に何故かドアップの山崎さんが。 「んぎゃ!?」 「…何やねん、人をバケモンみたいに。失礼なやっちゃなぁ?」 「鼻っ、か、かかかかか」 ーーーー噛まれたぁぁっ!! 突然の奇行に動揺して吃っていると、 「二人共、何好き放題やってんだ!みやっ…平助を離せっ!」 肩を引き寄せようとした佐之さんを、物凄いドスの効いた声が牽制する。 「ああ?何でてめえが怒ってんだよ。嫌ならコイツ自身がどうにかすりゃあいい話しだろ。」 「せや。ホンマに嫌やったら自分で抵抗せなアカンわ。俺らやのうたら、こんな遊びや済まへんのやで?」 そして山崎さんも何故か、悪意を含め口角を上げていた。 「何だと…?てめえら、開き直ってんじゃねぇよ…」 「ちょ、ちょっとちょっと!だから喧嘩はやめてって言ってるじゃんっ!」 あたしを中心に三つ巴の攻防が始まり、 これってデジャブ!? 何時ぞや似た事があったぞ的な感じで、ガッツリ睨み合う三人にビクビクしていた。 ど、どうしよう…どうしたら平和的解決案が…本当はこんなんやってる場合じゃないんだかんね!? 最優先事項はあたしのおパンの奪還なのに、皆んな日頃の鬱憤が溜まっているせいか簡単に収まりそうそない。 …仕方ない…これはかなり不本意だけども…
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