嫌よ嫌よも…

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最近、隊士募集に力を入れる様になってから改めて新発見した事がある。 こっちの時代に飛ばされてから今迄に色んな人達を見て来たけれど、どいつもこいつもヤクザ並みに口が悪く喧嘩っ早い。 たまに品行方正な感じの人もいるけど、根っからは負けん気が強かったり腹黒だったりするのが殆どだ。 ああ…この人も弱っちい癖に良くやるよ… 幹部三人に本気で逆らったりなんかしたら、骨も残らないんじゃないかと思う。 予想通り、 「で、ですからっ!それは言葉のアヤというか…っ…、悪気はあった訳ではないと、申しておるではないですか!」 「悪気が無ければ許されるってか?じゃあこれから俺がおめえを躾る為に殴り倒しても、何も文句は言えねえな?悪気じゃなく親切心でやってやんだからよ。」 「ヒッ…!」 マジビビりし出した三木三郎君。 「さ、斉藤殿!この人達をどうにかして下さい…!屁理屈ばかり言って、私を貶めようとするのです!」 見かけの割に素早い動きで黙って傍観していた斉藤さんの背後に隠れ… いや…両側から身がはみ出してるから全く隠れてないけども… 兎に角、負け犬は安全地帯に逃げ込んで、此処ぞとばかりにギャンギャン吠え出した。 チラッとあたしを見た視線が落ち、斉藤さんは溜息をつく。 「…この騒ぎの原因は、また平助か?」
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