嫌よ嫌よも…

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…何だよそれ、あたしが毎回騒ぎを起こしてるみたいな言い方しなくてもさ… 話を大きくしてんのは、いっつもこの連中じゃん。 すんごい厄介者みたいに言われカチンとは来たものの、下手に逆らえず口を噤む。 だって最近の斉藤さん、醸し出す雰囲気が前と全然違って近寄り難いってーか…とにかく苦手なんだもん。 伊東甲子太郎を筆頭に江戸からやって来た集団は、何が偉いんだか知らないけど後から入隊したクセにやたらと態度がでかくて、あたし的には気に入らないのに斉藤さんときたら… 勉強会がある度に『知識不足を補う良い機会だ』とか『元は平助と繋がりのある者達なのだから邪険にするな』とかって、あたしばっか悪者扱いするし… それに何故か、伊東一派とばかり連んじゃってさ。 なーんか、近寄り難い壁を感じたりもするんだよねぇ… 幹部の皆んなとも付き合い悪くなっていって…ホント斉藤さんたらどうしたんだろ? もしかして、まんまと伊東達に洗脳されちゃった? 「…そんな冷てえ言い方、ねえんじゃねえの?」 俯いて黙り込んだあたしの肩を、突然抱いて引き寄せた左之さんが眉を顰める。 「事実を述べただけだ。」 「せやったら俺らも騒いどるんやし、副長はんも含めて皆んな同罪でっせ?」
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