嫌よ嫌よも…

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一瞬にして散る火花。 今にも血の雨が降りそうな予感がして、内心気が気じゃないったら。 だけど、 「…下らぬ喧嘩を買う程暇では無い。行こう、三木三郎殿。」 今回は斉藤さんが大人対応?でギリギリセーフ。 「えっ?…あっ、しかし…っ、」 まだ何か言いたげな三木三郎に有無を言わせず強制連行してくれたおかげで、この場は何とか事無きを得る。 二人が姿を消してから…あたしは黙り込んだままだった。 だって、さっき斉藤さんが何を言わんとしてるのかが、痛い程解っちゃったし… あたしは…こうやって、秘密を知る幹部の人らに甘やかされっ放しだから、いつまで経っても弱いんだって自覚はあった筈なのに… やっぱり差し出された手を払い除けることが出来なくて… 「…気にすんなよ。」 落ち込んでる分だけ余計、左之さんの腕の中は暖かい。 「せやで。向こうはんが勝手にピリピリしとるだけや。」 頭を撫でる山崎さんの手も、酷く心地いい。 「…あの饅頭野郎、今度また生意気な口利きやがったら、みっちり稽古つけて破れ饅頭にしてやらぁ。」 乱暴な口振りではあるけど、元気付けようと気を遣ってくれる土方さんもすんごい優しい。 でもこれが、斉藤さんの言うところの『ぬる湯』なんだよな… もしあたしがこの人達と歳が近くて同じ男だったら絶対、ここまで甘やかさないだろうとは思う。
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