嫌よ嫌よも…

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こいつはアテにならないとばかりに、 「は!?」 「げ!?」 咄嗟に側にいた他の二人の手を一本づつ掴み、あたしの胸の部分にペタッとくっ付ける。 「カモ~ン!さあっ思いっきりやっちゃいなよYOU!!」 「………っ…」 「……(家紋とか湯とか、さっきから何言うとんのや?…これも未来言葉やろか?)」 二人の心の中は御構い無しに、目を輝かせ鼻息荒くお願いするあたし。 「いや…でも…っ、こ、これはちょっと…!」 「いーんじゃねえ。本人がやれってんだからよ。」 右手を左乳に押し当てられた左之さんは、真っ赤になってオロオロしている。 その左之さんを、しれっとした顔で後押しするのは土方さんだ。 「ほらっ、山崎さんも!いつも自慢してるテクニックとやらでやっちゃっていいから!!」 片やさっきからだんまりの山崎さんは、 「…てくにっく、て何やねん。どーせロクでもない意味やろけど。」 結構な素面であたしをジッと見ていた。 「やれやれー山崎ー、副長命令なー。」 耳をほじりながら野次を飛ばす土方さんに、益々カチンと来る。 けど山崎さんは、そこはサラッとスルーした感じで、 「…自分、ホンマにええのん?こないしょうもない意地の張り合いで、自分の身体安売りしてもうて。」 珍しく真面目な眼を向けられた。 一瞬ドキッとしたけど、 「で、でもこうでもしないと見返してやれないじゃん。売り言葉に買い言葉っていうか…」 口を窄めて見上げ返す。 そしたら…
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