嫌よ嫌よも…

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暫くの間、冷えた視線が突き刺さる。 んが。 「…えらい可愛い色しとんのやなぁ。」 その目元はニタリと垂れ、視線はずっとズレた顎より下辺りにある事に気付く。 「それなりにええ形しとって揉みがいもありそ」 「ぎぃやああぁぁぁーーーっっ!!?」 完っ全に忘れてた!! あたしってば、スッポンポンじゃんっ!!! 惜しげも無く曝け出された乙女の膨らみ… に釘付けの山崎さんを瞬殺すべく、ライオンに狙われ命辛々渾身の反撃を試みる雌鹿さながら、顔面狙いのキレッキレスマッシュエルボーを放つ。 「あぶっ、危なっ!」 「避けんじゃねえわっ!!」 「いやっ!今の食ろたら幾ら俺かて、鼻のうなってまうっちゅーねん!」 間一髪ギリでかわされ、肘を布団で強打したあたしの方がダメージを受けてしまったけど。 でも今はそれどころじゃない。 怒りは収まらず、片腕で収まる両乳を隠しながら膝で半立ちになった。 「鼻が嫌なら目玉くり抜いて、ケ◯の穴に突っ込んでやろうか?」 「いややわぁ…オカンはそないお下劣な子ぉに、育てた覚えあらへんで?」 「誰がオカンだ、このド変態め。」 ゆらゆら揺れて迫るあたしに捕まるまいと、山崎さんもじわじわ後退して行く。 「まぁ落ち着いてぇな。別に取って食うた訳とちゃうんやし。な?」 「あん?人を勝手に素っ裸にしといて手ぇ出してないとかさ、さっき皆んなの前で◯首ツマんどいて良く言う……………ん?」
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