嫌よ嫌よも…

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「もうお嫁に行けないじゃああーーんっ!!」 「せやな、お前みたいな男女はどっこも貰うてくれへんやろな。」 「ひどっ」 「はあーー?酷ないわ。どうせ藤堂はんのまんまやったら、何処にも嫁に行かれへんっちゅーねん。どっちかぁ言うたら婿に行かなあかんな……まぁ女子やてバレてもうた時点でめった刺しやろけど?」 「めった刺し…」 ゴクリと唾を飲み固まっている間に、山崎さんは帯を締め終わっていた。 「兎に角や、そこにあるヤツでも着ときィ。いつまってもスッポンポンで目の前おられたら、男女相手やってもおっ立ってくるわ。」 「お…っ、!?」 ちょっと今、めちゃくちゃ複雑な心境なんですけどぉぉぉーーっ!? 恥ずかしがっていいのかブチ切れていいのか混乱して言葉に詰まると、 「俺はどっちかてヤレる男やで?」 とんでもない事を宣りやがった。 「ーーやっぱりコロス!前歯全部ぶち折って逆さ吊りにして、ハイエナの餌にしてやるっ!!」 「物騒な奴っちゃなぁ~。つーか、はいえなて何やねんな?」 「死体に群がって骨までしゃぶり尽くす、獰猛な動物だよ!!」 「しゃぶり尽くすとか、想像しただけでクるわぁ~」 …ダメだ…コイツ、とことん頭がイカレてやがる…
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