嫌よ嫌よも…

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エロ大魔王山崎は自分の身体を抱きしめて、ぞわぞわっと身を震わせる仕草を見せた。 取り敢えず変態は放っておいて、その隙にいそいそと着流しを羽織り袖を通す。 ブラジャーとかサラシとかっていう、胸を覆うモノが無くて、すんごいスースーしてなんか心許ないけど。 直にそのまま着てから、現実に戻った山崎さんに声を掛ける。 「…んで?」 「?…何がや?」 「何って…お仕置きする為に、こんなとこまで連れて来たんだよねぇ?さっき言ってたじゃん。」 まっ裸で添い寝がゲロのせいなら、コレはお仕置きじゃないって事でしょ? 「あんたさ、ホントはあたしに何をやらせたいの?」 真面目な話しあのぐらいの揉め事で、皆んなからわざわざこんなに離れる必要があったようには思えないし… 無言でジッと見つめる先には、一瞬だけ目を見張った山崎さんがニヤリと笑っていた。 「…自分、阿呆のクセしてたまぁに、めっちゃ鋭い時あんねんなぁ。」 「それって一個も褒めてないから。寧ろ究極に馬鹿にしてるからね。」 睨んで返せばクッと笑われ、近くへ来いと手招きされた。 ちょっと膨れっ面でゆっくり距離を詰めると、耳元へこそばゆく息がかかる。 「実はな…斎藤はんは、副長の密偵やねん。」 「……え?……」
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