獣(ケダモノ)の住み家

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ついて行った副長室とやらに、見た事のある顔を含め10人以上の男の人達が集まっていた。 中には着替えてない人もいて、血が乾いて黒い模様がついているようにも見える。 「おう、遅せぇぞ。早く座れ。」 土方さんという人に言われ、後ろの方へ並んで座った。 何人か振り返ってまであたしを見ていたけど、それはつまり『平助』とは親しい間柄じゃないって事が伺える。 「これで総司と山崎以外は揃ったな。」 そう言えば総司さんの姿が見当たらない。どこかの部屋で休んでるのかな? 「皆、御苦労だった。」 向かい合わせの真ん中に座っている近藤さんて人が、会社の上司みたいに喋り出した。 まぁあたしが聞いてもちんぷんかんぷんなんだけど…今日は初めての大捕物だったとか、相手の重要人物は逃げたり自害したりで、殺した人達は雑魚ばかりだから、これからも見廻りの時に御用改めをして、怪しい人は引っ捕らえろとか…そんな話しだった。 最後にこっちの被害の報告があって、一応解散になったけど…。 そうなのだ。肝心なのはこれからだったりする。 誰かが言う必要もなく早々に部屋を出ていく人と、座ったまま動かない人…二手に分かれていた。 最後に出た人を確認して左之さんが障子を閉めた途端、ゴキブリ並の早さであたしは男達に囲まれた。 、
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