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「それでしたら、水桶を持ってきましょう。たおる…という物は何ですか?」
あーそうだった。言い替えるの面倒だなぁ。
「タオルは手ぬぐいに似てるやつだから、手ぬぐいで全然大丈夫。二枚くらい用意出来る?」
「はい、余分に持ってきますね。」
さすが監察方?と言えばいいのかな。
ものの1~2分ですぐ帰って来たよ。
「この衝立の向こうでやって下さい。私見張ってますから。」
さっき着替えた時に使ったみたいなやつの後ろに、水桶と手ぬぐいを置いて見えない場所に座ってくれた。
「…なんだよ、俺覗かねぇぞ?」
そして何故か土方さんを睨んでるみたい。
「別に副長だけではありませんよ。先程の不貞な輩は廊下の隅で、様子見しているようですしね。」
「…まだいやがるのか。」
二人の会話を聞きながら先に顔を洗って乾いた手ぬぐいで拭いた後、その手ぬぐいを浸して絞り着物の中に手を突っ込んで、拭けるとこだけ擦ってみた。
「うわ…汚い。」
手ぬぐいを三枚使い何度か繰り返しているうちに、水は真っ黒に濁って、あたしの体は少しだけサッパリとした。
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