獣(ケダモノ)の住み家

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「なんで覗き野郎まで来てんだよ、鬱陶しい。」 「まぁまぁ、皆で食べた方が美味しいですよ。」 総司さんに宥められて、土方さんはキセルの先を鉄の入れ物に、ポンと叩いて落とした。 「粗末な食いモンですまねぇな。いつもはもうちっとマシなんだが…。」 「ううん、食べさせて貰えるだけ有り難いよ。」 輪の中央に置かれたおにぎりを皆が取り出したから、 「いただきます。」 先に合掌して、あたしもおにぎりに手を伸ばした。 そしたら皆も真似をして、 「「「「「いただきます!」」」」」 と声を揃えて言った。 「うふふ。」 血生臭い男達が手を合わせて『いただきます』とか、可愛いな~。 和やかな雰囲気に微笑みながら、おにぎりをパクリ。 「しょっぱ!」 お茶を飲んで流し込んだけど…なんじゃこりゃ!? 「すみません。今日は特別塩を沢山使ってるんです。」 「汗かいたからな~。」 「沢庵食え、沢庵。」 ポリポリとひたすら沢庵を食べる土方さんが、あたしの口の前に沢庵をぶら下げた。 見てくれは沢庵だけど、色が黄色じゃなくて白い。 まさかと思いながらそれにもパクリ。 パリパリと食感はいいんだけど… 「しょっぱ!」 「そーか?」 またお茶をがぶ飲みしたけど、こんなん食べてたら塩分の摂り過ぎで病気になっちゃうよ。 、
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