獣(ケダモノ)の住み家

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「試したの?」 「いや、ついでに言っただけだ。」 「ふぅん。…ねぇお偉いさんって誰の事?近藤さん?」 「あー、近藤さんは此処では一番上の立場だが、俺達…さっきお前の話ん時居た連中な。山崎以外は皆同じ道場出身で、その道場ってのが近藤さんの養子先なんだ。たいていの奴は、そこの食客としてずっと居着いてやがったから、長い付き合いになってな。上下関係はあって無いようなもんなんだよ。平助も近藤さんには敬語なんて使ってねぇから、普通にしとくんだぞ。本当のお偉いさんには滅多に会えるもんじゃねぇし、まぁ心配する必要はねぇだろう。」 要するに気の置ける仲間って意味かい? 道理で人殺しは平気でやるくせに、この人達は甘々でベタベタな訳だ。 なにもかも似てるのかと思ったら、幸せの度合いは雲泥の差だね…『平助』。 「じゃあタメ口でいいって事か。まぁそっちが楽でいいけどね。」 「ためぐち?ってなんだ?お前は時々解らない言葉を使うな。…異国語か?」 「タメ口は立派な日本語だよ。年の差があっても、自分と同じ年の子みたいに話す事をそう言うの。」 「ほう…面白いな。お前が居た時代に行った平助は、解んねぇ言葉だらけで慌ててんだろうぜ。」 土方さんは愉快そうに言ってるけど… それ、生きてたらの話しだからね? 、
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