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「どうした?さっきから独り言ばっか言ってんぞ?」
気がつけば、土方さんの端正なお顔がドアップにあってむっちゃびっくりした。
「え…あっ!何でもない何でもない!…聞こえちゃった?」
「ん?…ああ、ヘコむとか言ってたぜ。どっかヘコんだのか?」
セーフ!
それだけなら全然セーフ!
「ううん、何でもない。…付き合ってくれてありがと。俺…もう寝るね。」
さりげなく傍を離れるつもりが、かなりぎこちなくなってしまった。
これはあくまでも予想だけど、土方さん達が未来から来たあたしに根掘り葉掘り聞いてこないのは、今はまだ何も不安に感じてないからだ。
もし事態が急変したり切羽詰まったら、未来の話を聞きたがるんじゃないだろうか…。
そしたら…あたしは?
先の事は顧みず助言する?
宛てもなく逃げ出す?
考えた分だけ苦しくなって、胸が激しく痛んだ。
力無く立ち上がると急に腕を取られ、よろけたあたしは上手く土方さんの胡座の真ん中に、スッポリとはまってしまっていた。
驚き過ぎて目をパチパチ瞬かせてたら、
「なんてツラしてんだよ。…心細ぇんなら添い寝してやるぜ?」
土方さんがぎゅうっと強く抱きしめながら、歯の浮くような台詞を言ってきた。
「ひややや!?え、遠慮しまっす!」
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