獣(ケダモノ)の住み家

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ジタバタもがいて暴れたら、頭の上で『ぷっ』と笑い声が聞こえた。 「色気のねえ奴。」 「んなっ!?」 腕の力が緩んだ瞬間を見逃さず、飛ぶように離れると土方さんは更に笑う。 からかわれた事に気付き、 「そりゃ悪うござんした!別にそんなのいらないもんっ!」 頬の熱を感じつつ舌を出すと、 「ククッ、身体はいっちょ前だが中身はガキだな。お前…男知らねぇだろ?」 どこのエロ親父だ!?ってくらいの、セクハラ発言を打ち噛まされた。 綺麗な顔とギャップがあるだけに、効果は絶大だった。 さっきあたしの裸、まともに直視出来なかった奴がよく言うわっ! 「もう喋んなっ馬鹿!!」 逃げるように布団へ潜るれば、ヒーヒーと苦しそうな笑い方に変わってて。 何なのよ!?人をおちょくって! 悔しくて殴ってやりたいくらいムカついたけど、その後は不安な気持ちも忘れて、いつの間にか瞼が落ちて朝までぐっすり眠っていた。 、
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