奇跡は突然やって来る。

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「…平助?おま…頭…石榴んなって……その着物…どうしたんだ…?」 ゴツい男は真っ赤な手であたしの両腕を掴んで、信じられないって顔をしてたけど…。 「んぎゃわぁ!?寄るな触るなあっち行けっ!!誰が平助だ勘違いすんな馬鹿ぁ!!」 信じらんないのはこっちの方だし! 叫びながら重い体を突き飛ばして早くここから逃げ出すつもりが、 「覚悟!!」 「きゃあっ!」 「危ねぇ!!ぐぁっ!」 またも湧き出た男が必死の形相であたしに襲い掛かってきて、デカイ奴が庇ってくれたけど、腕を斬られて刀を落としてしまった。 「死ねいっ!」 再び頭上で妖しく光る刀。 「平助!!」 それを見てあたしに覆いかぶさる、怪我をした大男。 やだ!!やめてっ!!! 死んじゃうっ! この人が死んじゃうよ!! 肩越しに髪を振り乱した侍みたいな男が、願いも虚しく刀を振り下ろした。 もうダメだと目を硬く閉じて、男に強く抱きしめられた瞬間、 ガキイィィーーン!! また一際大きな金属音がして、 「おりゃあぁぁ!!」 「ぐわあああぁぁぁっ!!」 耳に響く恐ろしい声が聞こえた。 「無事か!?」 助かったとは思ったけど、目の前に現れたのは同じくらいに大きな男で…。 、
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