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理解しがたい理由に、困惑しない訳がなかった。
「入れ代わりって…何の事だよ?願ったら雅がお前の居た場所に?」
「…うん。」
「もう一度会いたかったって、どういう意味だ?お前…雅と全く同じ面(ツラ)してるよな、姉弟か?いや、でもアイツは母親が消えて誰も身寄りがないって」
「ちょ、ちょっと待っ、痛たた!」
まくし立てるような質問攻めに、男は起き上がろうとして頭を押さえた。
「おい、大丈夫か!?無理すんなよ!」
「…ごめん、ありがとう。君は…雅の友人?それとも、恋仲かな?」
俺の手を制して、男が柔らかい笑みを見せる。
恋仲?
恋人の事か…随分古臭い言い方すんだな。
「いいや、今んトコはアイツの兄貴って感じの友達だ。」
「アニキ…兄みたいな友?…そう、君は雅の傍にいてくれたんだね。お礼を言わなくっちゃいけないな。ええ…っと」
「俺は宗田蓮司、…お前は?」
「藤堂平助。平助でいいよ。」
ひらべったい胸で気付いてはいたが、改めて名を聞くとやっぱり男なんだと再認識した。
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