君の面影

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けど、その原理でいくと、 「平助、お前が帰って雅を連れてくりゃいいんじゃないか?」 って話しになる。 平助曰く、そこらへんがまたいつもと違うらしい。 「念じようとするだけで『壁』みたいのがあって遮断されるんだ。さっきから試してるんだけど…」 二人同時に『飛んだ』。 要因はそこにあるのかも知れない。 「雅は何も解っちゃいないんだろう?そんな偶然そう何度も…」 そこまで言って、恐ろしくなった。 アイツがここに戻りたいと執着する人間や想い出があるのか? 俺の事も…必要だと思ってくれていたのか? コンコン! 突然ノックが鳴ってハッと息を飲んだ。 「失礼しま~す。アラ、相田さん安静に……あっ!お友達目が覚めたんですね、先生を呼びますから!」 ナースは一瞬で引き戻り、慌ただしく廊下をバタバタと走って行く。 「平助、お前は今から記憶喪失だ。何も知らない何も覚えてない…いいな?」 「…わかった。」 誰に話しても信じてもらえない。 先に俺が経験済みだ。 今はとにかくこの場を切り抜けないと、色々マズイ事になる。 雅が無事に帰って来るまで平助を守るのが、俺に出来る最大限の事だろう。 その後… 精神鑑定を受けさせられた俺は当然異常なしで、二週間後に退院した平助を無事に引き取る事が出来た。 、
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