君の面影

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入院費38万飛んで少し。 マジかっ! 保険がない平助は全額手出しで、俺が払うハメになった。 「しょうがない、分割にしてもらうか…。」 会計で身分証明をコピられ、平助の待つ待合室の椅子へと向かう。 「どうしたの?」 憂鬱な俺に、何も知らない平助の笑顔はイタかった。 「あー、金がな…。まぁ何とかするから気にすんな。」 とは言え、これから俺がコイツを養ってかなきゃなんねぇのに、自分の入院費と大破したバイクの修理費がある上、怪我のせいで暫く仕事も休む事になった。 どうやって生きて行こうか…。 「金?俺持ってるよ。」 俺の服を着た平助は、こっちに来た時に着てた着物を入れた紙袋の中を漁る。 出したのは月桂樹みたいな柄のついた青い巾着で、丸ごと渡してきた。 ズンと重みを感じもしやと中を確認したら… 「小判!?」 昔何かの資料で見たような、金と銀が光っていた。 「おまっ、これっ、」 人目もあって隠すように巾着に戻せば、 「ここじゃ使えない?」 申し訳なさそうに尋ねてきた。 、
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