君の面影

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「いや、使える…けど、このままじゃ払えないんだ。小判は俺達の時代じゃスゲー珍しいモンだし、なんつっても金だから充分価値がある。コレクターに…ダメか、出所聞かれたらマズイな。普通に金として換金するか、裏ルートで捌くか…。」 「何か良くわからないけど…役に立つなら使ってよ。ここの治療代もそうだけど、蓮司にはまだまだ面倒をかけてしまいそうだし。」 平助の言葉に有り難く素直に甘える事にした。 金銭面は何とかなりそうだが、まだ問題は残っている。 雅の仕事先や住まいの事だ。 きっと2週間以上無断欠勤してるから、解雇になっているだろう。 とりあえず平助に雅の代役をやらせる。 事故に遭った事と正式に退社する事を報告と手続きさせて… 病院や警察には『記憶喪失』って事になってはいるが、アパートには平助を雅として住まわしても大丈夫だろう。 管理会社を調べて鍵を失った事にして…雅の存在を再確認させる。 それから気は引けるが家賃や水道光熱費用の通帳を捜して… 夢物語みたいな出来事にも、現実はシビアに付き纏う。 これがドラマや映画だったら、この辺は省略されて楽な所なのにな。 、
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