2281人が本棚に入れています
本棚に追加
そんな姿が無理してた雅と重なって、何だか妙に切なくなった。
「あ、でもそうなってたら試衛館の皆と会えてないのかぁー。アレはアレで面白い人達だしな~ちょっと捨て難いかも。」
試衛館。
平助が運命的な出会いを果たした場所だ。
もし本当に母親が二人を別ける事なく、こっちの世界へ連れて来ていたら…
後の世に伝わる新選組の助勤一人は、違う奴の名前になっていたかも知れないって事になる。
「お前…どっちなんだよ。」
やっと絞り出た声は少し…掠れてしまった。
こんな状態でも前向きな平助は凄い奴だと思う。
平助の言うように、雅の傍に居てくれていたなら…
俺達は雅を護る、最強無敵の友人になれたのかも知れない。
「…飯食って帰るか。」
「えー、チンてするヤツ買って行こうよ。」
腹の虫が鳴り、昼飯を食い損ねた事に気付く。
骨折したのは左腕だが自炊をするにも何かしら不便で、ずっとインスタントかコンビニ弁当生活をしていた。
たまには外食…まぁファーストフードだが1番楽な手抜きをしてえのに、俺んち来てから平助は文明の利器に夢中で…ほとほと困ったもんだ。
「…またかよ。」
、
最初のコメントを投稿しよう!