君の面影

17/18
前へ
/412ページ
次へ
「…可愛いけど。」 何が悲しくて同じ顔したアニキの方に、告白紛いの事を言わされてんだよ…俺は。 照れ臭くてテレビのチャンネルを次々と変えれば、満足そうな平助が笑う。 「何だよ?」 「いや~別に?赤い顔してるからもしかして、惚れてたりするのかな~ってね?」 「…勘弁してくれ…」 片手で顔を覆い隠すと、指の隙間から見える平助は白い歯全開だ。 「いいね~、蓮司なら嫁にやってもいいよ、許しちゃう。…でもなぁ~、『あの人達』手癖悪いし惚れやすいからなぁ~。ちょっと危ないかもね~?」 「『あの人達』って…」 「ん~?『新選組』の連中、特に…幹部ね。皆さぁ~格好良くて凛々しかったりすんだけど、見掛けによらず異様なくらい可愛いモン好きなんだ。俺なんてしょっちゅう取り合いされて、そりゃもう鬱陶しいったらなかったしね~。」 「…ちょっと待て、そんな話しは初耳だぞ。」 世にも奇妙な出来事がこんな身近で起こっても、俺が案外落ち着いてんのは、平助の仲間が雅を助けてくれてるって信じたからだ。 これ以上の刺激はいくら何でも、心臓が持たねぇよ…。 「言う必要はないかなって思ってたけど、蓮司が雅に惚れてるんだったら話しは別だよ。雅が戻って来た時既に、誰かを好いてたりしたら…蓮司は苦労するだろうし、ちゃんと話しといた方がいいんじゃないかって考えが変わったんだ。」 、
/412ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2281人が本棚に入れています
本棚に追加