色魔退散!

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櫛を胸元に了(シマ)って、今度は小さな手鏡を渡してきた。 「山崎さんの胸んとこには何でも入ってるの?」 鏡を見るのが久しぶりで、髪型よりも自分の顔を映して眺めていた。 一応髪紐も見たら、ぴっちりきっちり蝶々結びがしてある。 「必要最低限の物は懐や袂に入れて、いつも持ち歩いてるんです。」 つまりドラ○もんのポケットみたいな? 膨らみのない胸をじいっと見ていたら、 「…何が入ってるかは内緒です。」 唇の前に指を1本立てて見せた。 それは監察って仕事に関係してるからかな? コクンと頷いたら後ろから大きな欠伸が聞こえた。 「…よう…起きてたのか…」 開かない眼を必死に擦り、ヨロヨロと起き上がる。 「おはようございます、副長。」 「おはよう…ご…」 山崎さんに続き挨拶しようとして、瞳孔を開かせたまま固まってしまった。 乱れた胸元に手を突っ込んでお腹辺りを掻いてるから更に着物は開(ハダ)けてるわ、片膝なんて立てちゃって太股はモロ見え。 当然ただ今褌の出血大サービス中だ。 水着よりエロく見えるのは何で!? しかも、頭が沸騰しそうになっている私の精神状態なんておかまいなしで、 「どうした?」 解(ホド)けた髪をゆっくりと掻き上げる。 、
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