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龍角に見られていたらしい。
「俺が悔しかったのは、まだ自分の隊が完全でないと言われてしまったからです。ですが仕方のないことですね」
「赤州軍との連合隊か。うまくやっていけるといいな」
「向こうがどんな将を送ってくるか、ですね」
超水がふっと笑った時、
「おい、超水」
いきなり焚き火の向こう側から名前を呼ばれた。
顔を上げてそちらを見ると、そこには細身の男が立っていた。高い鼻と、髭の綺麗に剃られた口まわり。年齢は三十前後というところだろう。どこかで見たことがあるような気がする。
「ええと……誰だった?」
首をかしげると、男は「低く見られたものだな」と憤ったようにこぼした。
「俺は元呈州軍の将、紀流(きりゅう)だ。超水、お前とも槍を交えただろう」
「ああ……」
ようやく思い出した。
呈央城攻略の際、超水が一騎討ちでこの男を倒して捕らえたのだ。
「その紀流が、俺に何か用か?」
「そうだ。――沛黄様より命を受けた。俺は今より、超水隊の副将となる」
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