幕間――頭痛の種

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  「関周様、先程早馬がやって参りまして」  薄暗い廊下。窓から少し離れた場所で、関周は足を止めた。振り返ると、いつも報告にやってくる部下の男が立っていた。灰色の着物を纏っている。 「……煉州軍はとうとう州境を破り、各地の城砦を次々に陥落させているそうでございます」 「あちこちで呼応する者達が現れているわけか。煉州軍の戦力はどの程度まで増えた?」 「は、すでに二十万に到達しようかという勢いでございます。さらには情貫赤の三国が連合を組み、汕州に侵入しているとのこと。この同盟により、三国連合は五十万強という兵力にまで膨れ上がっております」  関周は頭痛を感じた。  官軍は煉州軍を相手にすることだけで頭がいっぱいになっている。これで汕州まで突破されてしまったら、いよいよ総力戦を覚悟しなければならない。  貫州軍は、非常に統率の取れた強力な軍団だと以前から評判が高い。汕州軍が、そんな連中を相手にしてどこまで持ちこたえられるか。撃退は厳しいのではないか。  負の感情しか浮かんでこなかった。  
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